「でも・・・私が勝手にやったら、
わかんなくなっちゃうかな?」
洗濯物を前にして、
はうーーんと考える。
祭から帰ってきて
それでもあったらとりこもう、
そう思ったとき、
さっと何かに遮られて
視界が奪われた。
「!?」
「だ〜れだ?」
顔に感じる温かな感触。
聞き覚えのある、おどけた声。
「…藤堂さん…?」
「だいせいかい〜」
名前を当てられた藤堂は、
パッと手を放すと
後ろからぎゅっと抱き付いてきた。
「ちょ、どうしたんですか?
藤堂さん」
「え?ちゃんに会いに来たに
決まってんじゃーん」
やっと見つけたよーと
頬をすり寄せる。
藤堂のこういった行動は
相変わらずだったけれど、
やはりどこか気恥ずかしい。
「あの、何か用があったんじゃないですか?」
そんな考えから逃げるように問うと、
意外なことに藤堂は
すっとその身体を離した。
「そう、それなんだけど…」
「あの、さ。今日の祭、
俺と行かない?」
どこか言いにくそうに、照れたように
告げられた言葉。
しかし当のは、
「永倉さんたちと行かないんですか?」
いつも三人一緒なのに、どうして?
と言わんばかりにキョトンとしている。
「やー…だから、それはさ…」
目の前で、困ったように
言葉を濁す藤堂。
何か悪いことを言ってしまったのかと
が口を開きかけた時、
「俺は、ちゃんと行きたいんだけど」
じっ…と自分を見る瞳。
真っ直ぐな言葉に、
言いかけたことを忘れてしまった。
「…ダメ?」
それでいて、なおかつ
まだ選択権をくれる。
「…ダメなわけないです」
普段は強引なのに、
ここぞという時には
絶対に無理強いをしない。
そんな藤堂に、
は照れくさそうに微笑んで見せた。
Go out together Todo